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「あなただけの特別な時間」 總持寺で禅一日体験(2)

掲載日:2009年7月7日
タイトル:「あなただけの特別な時間」 總持寺で禅一日体験


坐禅をやってみた!
講義風景13 「衆寮」と呼ばれる坐禅道場は、厳格な雰囲気が漂います。

説明をお聞きしてから、坐蒲(ざふ)といわれるクッションのような座布団の上に足を組んで座り、合掌。

壁に向かい、鼻から吸い口から吐く「丹田呼吸法」という腹式呼吸を繰り返し、目は半眼、斜め45度下を眺める。



無心、無心と心の中で唱えるのですが、これがななかなか・・・難しい。

無心を心がけようとすればするほど集中できず・・・。

また、警策(きょうさく)と言われる棒の音が「パシッ!」と堂内に響くたびに気持ちはビクビク。そんな自分に思わず苦笑い(笑)。

無心の境地というのは、ちょっと無理そうなので、とにかく呼吸だけに意識を集中。すると、胸の鼓動や吐く息の音、静けさを受け止めることができるようになってきます。不思議です。


「坐禅とは、内面を見つめ、心を鍛えるもの・・・・・何をするために生まれてきたかを自問自答し、己の生きる意味を考え直す」


と、ある坐禅本に書いてあったのを思い出し、今度は、そのことに意識を移してみました・・・。

講義風景14
講義風景15 (坐禅を体験し、感じたこと)
 ●人は、それぞれ自分の祖先たるご先祖様からDNAを受け継ぎ生あるもの
  として、ここに存在している。そのことに感謝の念を抱くこと。

 ●自分というものをよく知っているようで、実はわかっていないという
  こと。
  自分では意識していないだけで、視線の揺れであったり、手の仕種で
  あったり、我慢の度合いであったり、物事への考え方であったり・・・
  自分としては客観的に捉えにくいものだけれど、自分を示す多くの情
  報を、実は発信しているということに、改めて気づかされました。
歴史と伝統のある、自分の呼吸の音くらいしか聞こえない静かな場にたたずんでみると、自分というものが、少しばかり分かったような気になりました。


「当たり前の心」 〜花和老師の法話を聴く〜
坐禅が終わり、最後に、花和老師のお話です。少し蒸し暑い頃合でしたが、老師がお話を始めると、すっーと磐に染み入るような、心静かな時間が広がりました。
いまの時代、なにが欠けてしまったかというと・・・

わたしたちが、もともと持っていた「人を敬う心」だとか「人に慈しみをかける心」だとか、そういう大切ものが失われてしまい「生きていく意味」が見出せなくなってしまった、そう感じています。

そうなってしまったのは、ある面、経済的に豊かになり、日ごろ便利でスピーディで、あらゆる情報が簡単に得られる時代となり、生きる上で大切な、自分の「生きる意味」を見つけ出すということが、かえって難しい時代になってしまったのかな、と思います。


やはり、心の安心、生きているという実感が必要なのではないでしょうか。

講義風景16
講義風景17 最近、多くの方が坐禅に来られるようになりました。

サッカー日本代表の岡田監督も、以前、總持寺に立ち寄られ、坐禅にめぐり合い、大変興味を持たれたそうです。それ以降、日常的に坐禅を取り入れるようになり、遠征する時も坐蒲(ざふ)を持っていくそうです。

坐禅というのは、そうした心の琴線に直接触れる、なにか自分を感じることができる、そういうものとして多くの人々のヒントになっているという感じが致しております。
少し前まで日本でも、困っている人がいれば、みんなが助け合い、心がつらい人がいれば励ましあう、それが当たり前だったと思います。

ところが、現代に生きる私たちは、そうではなくなってしまいました。
なんでも自分ひとりで解決しなくてはならなくなってしまいました。
便利で豊かになったようではあるけれど、その「当たり前の心」そのものがなくなってしまいました。

「当たり前の心」がなくなってしまったことを、当たり前だと思っているところが、現代社会が病んでいる、といわれる所以ではないかな、そう思います・・・。
講義風景18
講義風景19 仏教というのは、一言でいえば「慈悲の宗教」です。

人間が持っている最も尊い心は「慈悲の心」。それは誰にでもあるものです。
道元禅師が述べた「人は誰しも仏」という言葉は、その「慈悲の心」をさしているのではないかと私は思います。

「慈悲の心」を表に出せる人生こそ、尊い人生といえるのではないでしょうか。
それを教えるのが仏教であり、我々の役割なのです。

坐禅も行き着くところは、私たち自身がその心を見つけ、めぐらせていく。
そういうものではないかなと思います。
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【講師プロフィール】
花和浩明先生プロフィール 氏名:花和浩明(はなわ こうめい)

肩書:大本山總持寺布教師

茨城県生まれ。駒澤大学大学院修士課程中途退学。大本山總持寺安居修行、茨城県曹洞宗青年会会長等を経験し、現職。曹洞宗龍心寺住職。

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